先日、実家に帰ったときに、ツタヤに行った。
なにか、面白そうな映画は無いかな、と、見ていると、挙動不審な少年を発見。

年のころは、中学生であろうか。
まだあどけなさを残したその少年は、
どうやら、のれんの向こうに広がる、エデンの園に興味があるご様子。
入ろうかどうかと、その前をウロウロしている。

”ああ、僕にも、こんな時代があったなぁ”

大人の階段のぼる
君はまだ、シンデレラさ。

と、H_２OのBGMとともに、しばらく微笑ましく見ていた。

すると、少年は、やはり恥ずかしいのであろうか、
AVコーナーの手前にある、セクシーコーナーで妥協をはじめていた。

いいのか、少年よ？
本当に、その”くノ一忍法帳”でいいのか？
君が見たいのは、あの”ギリギリモザイク淫らな肉体５”ではないのか？

男が自分の行動を、恥などを気にして、変えてはいけないぜ。

僕は、のれんの中に入り、エデンのリンゴを一つもぎ取り、
その少年に近寄って、肩を叩いた。

”はい、これ借りる？”

ポカーンと口をあけた少年に、手渡すと、僕は名乗ることもなく、ヒーローのように去って行った。

いいことをすると、気持ちがいいね。

きっと、黒人の子供にトランペットを買ってあげた紳士も、
このような心境であったに違いない。