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また、短編小説を書きました。 最近の、僕の、趣味です。 それでは、どんぞ。 ”恋” 作:ラモン河谷 あるところに、とても、働き者の娘がいました。 娘は明るく、性格も良く、皆に好かれていました。 そして、恋多き娘でした。 その娘は、つい先日、失恋をしたばかりで、とても、苦しい想いをしていました。 毎日、夜も、眠れません。 好きな人に貰った手紙を見ながら、娘はベッドの上で寝ころんで、ポツリと呟きました。 「もう、誰も好きになんか、ならなければ、こんな苦しい想いをしなくていいのに」 すると 目の前に怪しい影が現れました。 「あなたは、誰?」 その影は、長い爪と、鋭い牙、大きな翼と尖ったしっぽを持っていました。 「私か? ふふふっ、そうだな、まあ神様とでも思っておけ」 「か、かみさま?」 「そうだ。だから、お前の願いを叶えてやろうというのだ」 その影は、ニヤリと笑っていいました。 「お前を、もう誰にも恋をしないようにしてやろう。恋愛で苦しむことがなく、永遠に心穏やかな日々を約束してやる」 娘は、ちょっと考えましたが、失恋した直後で、あまりにも苦しいので、つい、その影の誘いに、乗ってしまいました。 「よかろう、では、契約成立だ」 影は、去っていきました。
それから。 娘は、誰にも恋心を抱かなくなりました。 確かに、心穏やかな日々が流れました。 仕事も、友達との付き合いも、順調でした。 でも。 何か、物足りません。 「わたし、何のために、生きているんだろう・・・」 娘は、次第に、そう考えるようになりました。
そして。 数十年が過ぎました。 その娘は、ひとりぼっちでした。 友達は大勢いましたが、恋心を抱かなかったので、結婚はできませんでした。 友達は結婚し、子供や、孫がいる人もいます。 そして 友達が家族と楽しげにしているのを見て、娘は、自分の心に、醜い嫉妬心が芽生えているのがわかりました。 娘は、そんな自分が嫌で、夜、一人で泣いていました。 「ああ、あのとき、あの影と変な約束をしなければ、こんなことにはならなかったのに・・・」
すると 目の前に、怪しい影が現れました。 その影は、長い爪と、鋭い牙、大きな翼と尖ったしっぽを持っていました。 「あ、あなたは・・・」 「くっくっく、久しぶりだな。どうだ、あれから誰にも恋をしなくなっただろう?」 「・・・はい」 「恋愛で、苦しむことなく、心穏やかな日々が過ごせただろう?」 「・・・はい」 その影は、ニヤリと笑って言いました。 「それでは、その代償として、お前の魂をもらおう」 「えっ・・・」 「当たり前だ、タダで願いが叶うとでも思ったのか」 「・・・」 すると、影は声を荒げて言いました。 「もし、魂を渡すのを拒否すれば、それは契約違反だ。お前には数十年前のあの日に、戻ってもらう。さあ、渡すのか、渡さないのか、はっきりしてもらおうか!」 娘はしばらく考えて、言いました。 「******」
そして。 朝が来ました。 ベッドの上で目が覚めた娘の顔の下には、かつて振られた人からの手紙が、クシャクシャになっていました。 娘は、枕元の鏡を見ました。 「長い・・・夢・・・だったのかしら・・・」 娘は、しばらく呆然として、その後、心からホットしました。 そして。 鏡の自分をみて、小さく、頷きました。 「よしっ!」 P.S. 天使 「あれ、神様、悪魔の着ぐるみなんか着て。どこかへ行ってきたんですか?」 神様 「おう。ちょっとな」